夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

れでぃ×ばと!

これ、最後に彩京朋美とセルニア=伊織=フレイムハートが、初めて互いに名前で呼び合うところで終わるから、この2人の関係を描く話だったって解釈で良いだろうか。

 

オープニングは4人のキャラクターソングとなっている。しかし、彩京、フレイムハートはもちろん、男装キャラの大地薫もメインになる話もあったから良いとして、もう1人の四季鏡早苗の活躍はほとんどなかった。彼らが通う学校は、上育科と従育科という(格差社会を感じさせる)2コースに分かれているんだが、早苗の姉の沙織は上育科に通う一方、早苗は家が没落したために学費が払えずに従育科に入っているという、描きようによってはかなり重めの設定となっている。とはいえ、この姉妹は完全にギャグキャラなので、この設定に深入りすることはなかった。早苗の話を掘り下げるということは、この格差、実家の貧富について掘り下げるということになりそうで、そこを避けたのだろうか。「恋と選挙とチョコレート」でも、経済特待生の話は深入りしなかったしなあ。

レンタルマギカ

主人公の伊庭いつきがなんともつまらないキャラクターでね。という一言で尽きる気もするが。

 

アストラルという派遣会社が依頼を受けて呪波汚染とやらをなんとかするお仕事の話なんだけど、どちらかというとアストラルのメンバーにまつわる問題を、依頼を受けたという体裁で解決する話って感じになっている。そのアストラルの新社長が伊庭いつき。父親の跡を継いだって、「社長、バトルの時間です!」と同類ですね。いつきは眼帯をしていて、眼帯を外すとグラムサイトという能力でバトル中に社員に的確な指示を出せるという仕組み。この指示というか「社長命令」がとてもダサいんだけど、文章で読む分にはそうでもないのかもしれないが、これはアニメ演出の限界ですかね。ともかく、そんなバトル物としては特に面白い話もなかったかな。

 

一方で、ラブコメ要素もある。ヒロインとしては、穂波とアディリシア、その他といった感じ。アディに関しては、どうしていつきに惹かれているのかさっぱり伝わって来ないんだよな。穂波の方は、まあ幼馴染だし、いろいろあって負い目もあるしというのは理解可能ではある。その「いろいろあって」の部分は、アニメの最初の方から小出しにしていたのだけど、穂波に思い入れるための重要な部分だけに、もっとしっかり早い段階で明かしておく方が良かったんじゃないかとも思う。まあ、明かされたところで、大した話じゃないんだけどね。終盤でフィンが登場して、グラムサイトにちょっかい出す話になるまで詳細を描くのを待ったというのも、筋は通っているか。

 

正直、いつきを挟んでの三角関係より、いつきを抜きにした穂波とアディの関係の方が、より深いように感じなくもない。13話「入信儀礼」で描かれた魔法学校時代の話などは、その最たるもので。あとは、21話「白と黒のドレス」なんだけど。穂波とアディが結婚するという話で、魔法使いの世界では普通の風習で、いつき以外は誰も疑問に思ってないというのが面白い。でもここで、いつきが魔法使いではない一般人の常識を持ち込んで台無しにする。結婚してないと認められないだのと誰かに言われて素直に従うなんてアディらしくない、という主張もごもっともではあるんだが、単純につまんねーこと言うなあ、という感想にしかならない。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない

優等生な女子が実はアニメ・ゲーム好きで、それを世間に隠している系のアニメとしては、「乃木坂春香の秘密」の後、「干物妹!うまるちゃん」の前という作品。

 

読みが同じになるサブタイトルが3回もあるというのは珍しい?

1期3話「俺の妹がこんなに可愛いわけがない

2期9話「俺の妹がこんなに可愛いわけがない!」

2期16話「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。

他に例がないわけではなく、「れでぃ×ばと!」でも2話、5話、11話で3回あるし、

これが私の御主人様」の1話と12話というのもある。すべての作品を網羅してみたいが、面倒くさい。

 

妹が秘密を知ってしまったがために、今まで縁のなかった世界と関わることになってしまう主人公。普通の高校生だった主人公が、良くも悪くも普通でない人々と交流していく話かと思ったら、実際は主人公と妹が一番の変人だったんじゃないかという。チルチルとミチルが自分の家で青い鳥を見つけたみたいな。チルチルがミチルに結婚してくれと言うか?

 

麻奈実が京介を駄目にした、という桐乃の解釈は、そう外れていないように思える。そもそも、麻奈実は京介をどうしたかったのか、という点においても、この人の得体の知れなさ、まともじゃない感じを受けてしまう。京介が黒猫と恋人同士になる程度では駄目で、桐乃と恋人になるくらいやって、やっと本性を表すくらいには、奥底に秘匿された闇だったのだろう。

女神候補生の最後の方

イードに認めて欲しいリペアラーのイクニが、ライバルのゼロを陥れようと機体に細工をしてしまう、というお話があった後、いきなりキズナがイクニを誘って一緒に歌を歌い出し、謎の女がなにか意味深なことを語って終わりという、よくわからない締め方をした11話。打ち切り感がものすごい。

その後の最終話の12話は既に死んでるアーネスト視点での総集編風味で、アーネストにとってガルが特別な存在だったということを補強する形。アーツにとってのゼロと通じるものがあるということか。

宝石商リチャードの謎鑑定

宝石商のリチャードと、宝石には詳しくないけど正義感の強い大学生の正義のコンビが、宝石にまつわる様々な事件に関わる。「不機嫌なモノノケ庵」とか、ああいう感じなのかな。で、「謎鑑定」というタイトルの割には、ミステリ要素は特になかった。ミステリ要素はないが、BL要素は若干ある。

シリーズ前半で1話完結型の人間ドラマといった話が続いて、後半はリチャードの家庭の事情と、最後は正義の家庭の事情をやるという構成になっていた。リチャードと正義が、お互いの家庭の事情に首を突っ込んで解決するという形。正義が手助けした女性が、リチャードの元家庭教師だったというミラクルっぷりは、流石に展開が雑なんじゃないかと思わなくもないが。まあ、概ね無難で、大して面白くもない。

無難ではないのは、最終話か。正義がしつこい父親を包丁で刺したのが、夢じゃなくて本当だったら面白かったのに。とはいえ、包丁で脅したのは事実なのか。エディプスコンプレックス、とは違うか。

性格的にではなく、設定面で癖の強い登場人物ばかりだったな、と思ったりもする。リチャードや正義はもちろんだが、普通の大学生みたいな顔して出ていた谷本さんが、親の勧めでお見合いするみたいなことになってたりとか。

異種族レビュアーズ

ファンタジーな世界で、「サキュバス嬢」として様々な種族が働く様々な性風俗店を、人間やエルフや天使などがそれぞれ点数をつけて評価するという話。正直、どうでもいいという感想しか出てこない。そういう設定の「サキュ嬢」にしたから、レビュアーはそういう評価を下すよね、というだけのことで、当たり前だけど、ドラマ性なんてほとんどないし、レビュー内容を見たところで設定表を見せられてるだけのような感触だ。

架空世界を描くにしても、現実世界に重ねて見られるようなテーマが欲しい、とは別に思っているわけではないんだけど。それでもかなり絵空事感が強い。内容がなかなか性的に過激な分、より白けてしまうのかもしれない。

そんな中、6話のゴーレムの話はちょっと良かった。これって、ディープフェイクポルノの問題だよね。題材にされたメイドリーのリンチという形で一応締めてはいるが、ディープフェイクを強く否定していない感じが、やんちゃというか、悪質で良かった。

まあ、あとはなんか、種族の違いを超えた多様性の肯定みたいなテーマがあるのかないのか。あんまりそういう形で褒めたいとは思えないんだけどね。

社長、バトルの時間です!

いわゆる「剣と魔法の世界」の冒険物語に、現代の会社組織のような設定を組み込んでみました。というのがこのアニメの肝なんだろう、たぶん。でも、これが中途半端でつまらない。敵も、首がそれぞれ上司と部下になっている三つ首のマジューとか、操られて社畜化したマジューとか出てきたけれど、これが面白いかというとそんなことはなく。主人公が社長を務めるキボウカンパニーでも、会社組織ならではだなと思える部分がほとんどないし。償却資産がどうとかさ。

8話からの、人間の言葉が話せるマジューが他のマジュー達にいじめられているという話はちょっと興味が持てたが、なんだかんだで恋愛的な形で救出するという、あんまり差別問題に深く切り込むことはしなかったのが、もったいないとも思えるし、そもそもそんなに重いことやるような作風でもなさそうだから、仕方ないとも思える。

零細のキボウカンパニーに対して、一流企業であるインペリアルの人にときどき出番があったが、主人公が昔居た会社という点以外の描写がなく、何がどう凄いのかが伝わってこなかった。