夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

レンタルマギカ

主人公の伊庭いつきがなんともつまらないキャラクターでね。という一言で尽きる気もするが。

 

アストラルという派遣会社が依頼を受けて呪波汚染とやらをなんとかするお仕事の話なんだけど、どちらかというとアストラルのメンバーにまつわる問題を、依頼を受けたという体裁で解決する話って感じになっている。そのアストラルの新社長が伊庭いつき。父親の跡を継いだって、「社長、バトルの時間です!」と同類ですね。いつきは眼帯をしていて、眼帯を外すとグラムサイトという能力でバトル中に社員に的確な指示を出せるという仕組み。この指示というか「社長命令」がとてもダサいんだけど、文章で読む分にはそうでもないのかもしれないが、これはアニメ演出の限界ですかね。ともかく、そんなバトル物としては特に面白い話もなかったかな。

 

一方で、ラブコメ要素もある。ヒロインとしては、穂波とアディリシア、その他といった感じ。アディに関しては、どうしていつきに惹かれているのかさっぱり伝わって来ないんだよな。穂波の方は、まあ幼馴染だし、いろいろあって負い目もあるしというのは理解可能ではある。その「いろいろあって」の部分は、アニメの最初の方から小出しにしていたのだけど、穂波に思い入れるための重要な部分だけに、もっとしっかり早い段階で明かしておく方が良かったんじゃないかとも思う。まあ、明かされたところで、大した話じゃないんだけどね。終盤でフィンが登場して、グラムサイトにちょっかい出す話になるまで詳細を描くのを待ったというのも、筋は通っているか。

 

正直、いつきを挟んでの三角関係より、いつきを抜きにした穂波とアディの関係の方が、より深いように感じなくもない。13話「入信儀礼」で描かれた魔法学校時代の話などは、その最たるもので。あとは、21話「白と黒のドレス」なんだけど。穂波とアディが結婚するという話で、魔法使いの世界では普通の風習で、いつき以外は誰も疑問に思ってないというのが面白い。でもここで、いつきが魔法使いではない一般人の常識を持ち込んで台無しにする。結婚してないと認められないだのと誰かに言われて素直に従うなんてアディらしくない、という主張もごもっともではあるんだが、単純につまんねーこと言うなあ、という感想にしかならない。