夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

僕等がいた

昔の恋人が事故死して傷ついている男子を、主人公の女子が聖女よろしく癒やしてあげる系の話だと思っていたけれど、そんな簡単な話ではなかった。

矢野本人は何の悪気もなく、高橋を傷つけるようなことをしてしまう。高橋とデートの約束をしているのに、山本の母親が倒れたからといって山本に付き添って病院に行くだとか。普通はそうはしないだろう、という悪手を選べてしまう。このあたり、矢野の生い立ち、家庭環境に影響されているんだろうなと感じる。

竹内の母と姉の会話で、矢野の母親は地に足がついてないだの言って、それを受けて、矢野の死んだ元彼女に似ていると言っちゃう場面は、なかなか強烈だった。もうこんなの、高橋の手に負えるわけがないし。誰も悪人がいないのも、むしろ残酷だなあと。奈々さんの元恋人くらいか、悪人は。といっても、高橋からしたら当然面識はないし、伝説上の人物みたいなものだが。

矢野の母親が再婚相手と離婚して東京に行くことになり、矢野は転校せずに残るかと思いきや、なんだかんだで母親について行くことなる。高橋が旅立つ矢野を駅で見送るところで終わり。このまま1年間、無事に遠距離恋愛を続けて、東京の大学に入学して再会する。なんて簡単なことにはならないだろうな。それも高橋の手に負えないレベルでの障害が発生して。と想像できてしまうから、余計つらい。