夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

七つの大罪 総評

王国が内部の人間の陰謀・横暴によって混乱し、お尋ね者の立場となった主人公達(なんか特殊な能力を持ってる)がそれに対抗する、みたいな設定は最近よく見られる気がします。「アカメが斬る!」とか、あのあたり。大きな事件を解決して次の旅へ、という終わり方も無難で、このアニメならでは、という部分がほとんど感じられなかった。序盤はメリオダス達の過去をあまり語らないまま話が進むので、その説明不足なところは特徴かもしれない。まあ、メリオダスやエリザベスが既知の情報を逐一説明しながらだと、話がちっとも進まなくなっただろう。

それにしても、主要人物がほとんど死ななかったな。七つの大罪は全員揃う前にメンバーが欠けるとは思えないし、どんなに危機的状況になってもどうせ死なないんだろ感が強くて白ける。聖騎士側もなんだかんだで多くが生存しているし、死ねば良いとは限らないが、緊張感はなくなるよね。

ガンダム Gのレコンギスタ

(敵か味方かによらず)誰か一人の超人的な力が事態をまとめ上げるようなことがなく、登場人物の誰の手にも負えない感じで状況が転がっていくのがとても面白いアニメ。裏腹に、最後にどうなれば決着がつくのかもよくわからないままだったから、最終回も本当にこれで終わっていいのかどうか、なんとも言えない感じになってしまったり。いっそのこと、たらいをベルリの頭に落として盆回りでもいいんじゃないかとか思ってしまうほど。

でも、ベルリは一体なんなんだ。戦争に巻き込まれているようでいて、実際は高みの見物というか、いわゆる体験型観光でもしてたんじゃないかと思えるような。そんな、なんとなく他の人達からは浮いてるように見えたベルリも、時折いかにもな主人公らしい発言をしたりして(恋を知ったんだ、とか)、余計にどういうポジションなのかしっくり来ない。最後の富士山は、一つの観光旅行が終わって、次の観光旅行へ出発だ、みたいな捉え方でもしましょうか。

東京喰種トーキョーグール√Aの12話

最終回。喫茶店内の暗がりと光の具合だとか、雪の中の静けさだとか、とにかく演出がいつも以上に素敵なことになってるんだけど、話はいまいちパッとしない。何が起きたのかはっきり描かないラストは、場合によっては良い余韻になると思う。でも、この12話は、ここまで群像劇として話を広げてきたのに、全部放ったらかした手抜きエンド、という印象になってしまった。1期の最終回も似たような放ったらかしっぷりだったから、こういう芸風が東京喰種なのかもしれないな。

そういえば店長達、何のためにCCGと戦ってたんだっけ?抵抗したところで、余計にグールへの憎しみを集めるだけじゃないかと思ったが、なんか見落としてたかな。

SHIROBAKO

アニメ制作に携わる人達の群像劇としてそこそこ楽しめた。でも、結局1話がピークだったのかも。終盤、アニメ制作って素晴らしいみたいなことを、アニメの中で言っちゃうのは、ちょっと手前味噌っぽくて白けてしまった。

まあ、あとは、多種多様な人が1つのアニメを作るために、それぞれの仕事をして、いろんなドラマが生まれている、みたいな話をやるんだったら、高校時代の知り合い5人組の設定は無い方が良かったかもなあ、と思った。

少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 50-

2期は、アイドルとしてある程度成功を収めてからの話ってところだろうか。大成功って訳ではもちろんないけれど。「本物の握手」や「僕たちの延命」のような、アイドルが飽きられることへの対策がテーマになっているのは面白い。それにしても「僕たちの延命」ってサブタイトルは凄いな。

ただ、終盤のハリウッド東京と2代目少年ハリウッドの存亡の危機みたいなのは、ちょっとどうかな。変化を拒んで現状維持のために戦うのって、このアニメらしくない感じを受けたし、少年ハリウッドの心意気を認めたから存続、という凡庸な決着だったのも印象が良くない。

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞

前半のアンジュは良いキャラしてて面白かったのに、なんだかんだで次第に人柄が丸く(退屈なキャラに)なっていったのが残念。アルゼナルの面々とのやりとりにこそ、このアニメらしい楽しさがあって、それが特にタスクの前だと凡百のエロコメディになってしまうし、サラ達アウラの民もまともすぎて締まらない。モモカとタスクが死んだかも、ってあたりのアンジュの反応とか、ああいうのは求めてなかったんだよなあ。

で、その代わりなのか、最後にエンブリヲが捻くれまくった思想で頑張ってくれたのは、まあ良かったかな。

激戦やっていて死人も多く出ているんだけど、割と出番のあった主要人物はほとんど死ななかったのは、ちょっと盛り上がれない感じ。ジルとエンブリヲと、せいぜいジュリオくらいまでか。

透流がモテるアブソリュート・デュオ

よく考えると「なぜ透流に惚れたのかさっぱり理解できない」ってほどではなかったな。

デュオのユリエは、まあ一人くらいは主人公に惚れる子がいてもいいだろうってところで。リーリスの場合は、恋愛以前に彼女が何を考えてるのかよくわからない(決して悪い意味ではなく)、掴みどころがないキャラクターとして描かれていると考えれば、透流を婚約者にするのも、その一環という感じ。最大の問題は、透流のブレイズの盾がさほど特別に見えないってことかもしれない。

みやびの場合は、どうにも惚れる過程が陳腐すぎて、盛り上がれなかった。巴との百合路線にも行きそうで行かずに、中途半端。エンディングはあんななのに……。エンディングというと、2番目のユリエとリーリスのデュエットのやつも気になる、というか、もうちょっとこの2人の絡みは描いて欲しかったかもしれない。透流とかどうでもいいから。

伊万里まで透流に惚れていた、ってのは完全に要らない。どうせ、ほとんど話に関係しないんだし。