夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

悪い種子

1956年の映画。舞台劇っぽい雰囲気。8歳のローダちゃん、お利口な子供だと思ったら、欲しいものがあれば平気で人を殺せるサイコパスだったという話。同級生の溺死から、少しずつ明かされていく娘の恐るべき性質に、母親が神経をすり減らしていく。更に、自分が犯罪者の娘だったと知ったり、ローダに鎌をかけて脅かしていた手伝いの男が地下で焼き殺されたりしたことで、とうとう無理心中を試みる。まあ、失敗するんだけど。

犯罪者の血を引いているから、環境と関係なく幼い頃から罪を犯すんだ、みたいな説にはとりあえず否定的なのかな。母親はそう思わなかったようだけど。

で、最後のオチ。まさかの落雷。(今見ると)チープな特撮のせいもあって、笑ってしまう。天網恢恢疎にして漏らさず、というか、これがヘイズコードってやつか。更にエンディングではダメ押しの役者紹介で、「作り話だから本気にするなよ」とでも言いたげな茶化しっぷり。いやあ、お尻ペンペンで済むような話じゃないだろって。

放火後のローダが弾いていたピアノ曲。フランス民謡の「Au clair de la lune」。