夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

ミカグラ学園組曲

はぐれ者のヒロインが、バトルなどを通じて学園内での地位を築いていく物語。「つよきす」をちょっと思い出す。つよきすと違ってかなり明確にガールズラブを強調しているんだが、百合的にはつよきすの方が良かったかもしれない。というか、憧れの先輩が実は駄目駄目な人だと判明し、それを救う物語でもあるから、月面兎兵器ミーナとか灰羽連盟系譜とも言えるか。

しかし、これをサクセスストーリーとして楽しめるかというと、そうではない。そして、強い能力を持つ主要な登場人物と、そうでない普通の生徒達との間の扱いの差は大きく、弱者への配慮がまるで見えない。

途中からエルナが学園のエリート集団とつるみ出すようになるが、戦闘能力が努力の結果ではなく天賦の才に依る感じだし、対抗戦の結果で学園での優遇冷遇が決まるので、こうなってくると実に楽しくない。対等な立場の敵対集団と競い合うのであれば良いのだけど、この作品は弱い生徒を踏み台にしていくだけ。

最後にエルナは星鎖を救うことに成功してめでたしめでたし、ということのようだが。星鎖が家にこもるきっかけとなった、”星鎖に夜討ちをかけて退学となった写真部の先輩”の件は、そもそもが学園の部活対抗戦のシステムに起因する問題なのだけど、そこがまったく解消されないままなので気分が悪い。それどころか、学園を創設したエルナや星鎖の先祖の話まで出てきて、この血統主義のために、強い能力を持たない生徒達が、真相を知ることなく犠牲にされているんだとすると、本当に残酷な話だと思う。

えとたま

かなり騒がしい作品だけど、その割には萌える要素、笑える要素が少なく、空回り気味の印象はあった。メタ視点入りまくりの総集編「縁縁長蛇」や、いまいち面白みに欠けていたタケルというキャラがにわかに輝く将棋回「花鳥歩月」など、割と良いエピソードもあっただけに、もっと各回ごとの遊びを入れても良かったんじゃないかなという思いは残る。

3DCGはやっぱり苦手。戦闘だけならまだしも、最終回のチュウたんがデレるところなどは、見ていてかなり辛かった。

2000年前に決まった干支神に、日本の各地方、特に北海道や沖縄が守護地として割り当てられているって設定は、歴史的にどうなのかと思ったりする。そもそも干支って日本だけの伝承じゃないんだし……まあ、アニメの面白さとは無関係の部分だから、別にいいんだけどさ。

ガンスリンガーストラトス

登場人物はそこそこ多いんだけど、脇役はあくまで脇役で、どういう人物なのかなども
ほとんど紹介されず。一応なんかそれぞれにドラマを抱えていたっぽいけど、特に詳しく触れる訳でもない。まあ、そういう割り切り方は嫌いじゃないです。

とにかく、テンポよく話が進んでいく。そんなに大した話ではないので、これぐらい軽めな描き方でちょうどいいと思う。市街地を舞台に戦闘していても、特殊な空間(?)だから街に被害が出ないってのは、昨今のバトル物の基本設定ですよね。

プラスティック・メモリーズ

1話のどうしようもなさが、最後まで枷となったシリーズ。「こわれかけのオルゴール」がいかにまともだったか思い知らされる。

アンドロイドとそれを取り巻く環境がどうなってるのか。アンドロイド保護法なんてのがあるから成熟した社会なのかと思わせて、ギフティア回収の仕組みが非効率的でげんなりするし、(非効率性そのものへの批判とかはないままに)その非効率性をきっかけに物語を動かそうとしてるせいで話に乗りきれない。

艦これ」の艦娘たちが世界の中でどういう存在なのかいまいち掴みきれないままその生死に関するドラマを見せられてもピンと来ない…というのと近い。

もちろんキャラクターにも魅力を感じることはなく、そのまま後半は応援できないカップルのラブストーリーという、ただ不快なだけの展開へと舵を切る。ツカサの「告白」シーンを見た時、本当に気持ち悪いと思った。そういえば「ちょびっツ」のパソコンと結婚したケーキ屋の挿話を見た時も同じ感想持ったなあ、と思い出した。人間とアンドロイドとの恋愛に否定的なつもりはないんだけどねえ。

ギフティアが時間切れになると暴走するって設定は、なかなか興味深かった。所有者の前でいつもニコニコ良いアンドロイドとして10年過ごしたギフティアが、その10年間の間に溜め込んだストレスを一気に発散してるんだと思うと、結構痛快だと思う。

映画「幕が上がる」を見た

弱小校に有名な監督やら名門校からの転校生やらが来て、全国大会を目指す系部活物。まあ、響け!ユーフォニアムと大体同じパターンだし、阿知賀編でもハイキューでも、似たような設定を持つアニメはたくさんありそうだし、基本的には外しようがないネタと言えるかもしれない。

吉岡先生=滝昇=赤土晴絵=烏養繋心
中西さん=高坂麗奈=新子憧=影山飛雄
(ちょっと無理があるか?まあ、こんな感じだろう)

で、これが、せっかく題材はいいのに、いろいろと残念な出来。目立つ割に少しも面白くない顧問の男いじりとか、途中の変な演出が空気を乱してる感じ。うるさいくらいに多用される部長の内話(モノローグ)にうんざりしてたら、後半ではなぜか鳴りを潜めるというのも、どういう演出意図なのか謎。響け!ユーフォニアムも主人公のモノローグが多かったけれど、ここまでうるさくは感じなかった。(これはユーフォニアムを誉めてる訳じゃなく、あのモノローグ多用にも否定的です)

あと、他校の演劇に比べ、主人公たちの演劇に魅力がなく、地区大会で高評価を得たことがいまいち納得できないというのも、かなり駄目な部分だと思う。

2005年TVアニメOP・ED10選

 

遊び心いっぱいのオープニングクレジット。だまって俺についてこい。

上質な美少女アクション。まあ、本編の内容とはあんまり関係ないんだけど。

まさかの林田健司。とにかく頭悪そう。

紅優武山篤で、とにかくかっこいい映像。

キャラクター紹介を含む岩崎良明監督のいつものやつ。
瓶詰妖精せんせいのお時間に比べて、一層の洗練が見られる。

後期バージョン(完成版?)はスタイリッシュ。
なぜか辻堂が印象に残る。

ノイタミナ。他の深夜アニメとは違うことやるぞという意気込みを感じるセンス。

オープニングが変わると、どうしても前の方が良かったとか思ってしまいがちなのに、
これは3種類のオープニングのいずれも良いから凄い。

深夜アニメでもここまで媚びまくりのエンディングはあまりない。

エンディングで主人公が走るのはお約束。だけど、このカメラ位置は新鮮でエロい。

 


以上で10個。以下は番外(OVA扱い)。

ひどい歌詞。

話数単位で選ぶ、2005年TVアニメ10選

 

 

"鬼の形相"という言葉がこんなに似合うヒロインは、なかなか居まい。

Windの「想い伝えて……」から1年、またラブコメヒロインの心が病んでしまいました。

ほとんどの会話が電話を通して行われる。
直接会って話さない人々を描く社会風刺性と実験性。

命を吹きこまれたぬいぐるみを通して、生まれて来た意味を優しく問う、切ない一編。

雪の降る日の思い出話。
未来のことなんて思いもよらなかっただろう過去の先輩達の話から、明日への橋渡し。

少女アニメ最大のイベントであるクリスマスに、満を持しての亡き母の話。
泣ける話のはずが、ギリギリまでギャグを忘れない姿勢にしびれる。

総集編で思いっきり馬鹿やってくれるアニメは大好きです。

エアコンの効いた部屋で繰り広げられる筆談ギャグ。

神様はこたつから一歩も外に出ない。

  • tactics #15 暮れゆく夏の蝉時雨

アニメのホラーってあまり怖いと思えないことが多いのだけど、
これはぞっとした。

 

以上で10個。以下は番外(OVA)。

雑然とした学園祭の雰囲気と、恋と疾走とマイムマイム。
若いっていいですね。