夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

デス・パレード

極限状態に置かれた人達を裁くって設定なので、どうしても泣いたり怒ったり、激しく感情を剥き出しにする展開が多く、そういうアニメは基本的に好みじゃないのだけど、裁く側のデキム達がいつも冷静なので、意外と楽しめた。

と思っていたら、9話で黒髪の女に死者の記憶を見せちゃって、感情的な行動取らせちゃうものだから、げんなりしてしまう。まあ、無関係な刑事を間違って刺したのかと思わせて、実はその刑事こそ殺すつもりだった相手で、復讐を果たしてたという引っ掛け自体は面白かったんだけど。

10話のババ抜きは、機動戦艦ナデシコの記憶マージャンみたいで、結構好き。両親が死んで強姦されて兄が殺人犯になってと、悲惨な人生を着実に歩んでる島田の妹なんかがいる一方で、幸せな人生だったと満足気な婆さんが直後に出てくるのは、なんとも皮肉なものだ。

黒髪の女の正体は案外普通だったんで、特に評価がひっくり返ることもなく、無難に終わった感じ。

艦隊これくしょん -艦これ-

1話を見た段階では、ストライクウィッチーズ的なものかと思って、つまらなさそうだなと身構えていたが、3話くらいまで見たら、女の子が戦ってる訳じゃなくて、戦艦が女子の人格と見た目を持っている設定で描かれているんだと気付く。戦艦が損傷したら、それは女の子が負傷したように描かれるし、ドックでの修理は入浴として描かれる。まあ、それはそれで好みではない設定だ。戦艦にまったく興味ないしな。

「提督」と呼ばれる存在は、作中で姿を見せない。これは艦娘とは異なる存在、要するに艦娘がただの戦艦であるのに対して、生身の人間だから同時に画面に収まることがないのかなと思ったが、実際どうなんだろう。まあどうでもいいんだけど。ただ、主人公の吹雪をはじめ、艦娘達がこういう得体の知れない存在に絶対的な信頼を寄せてる様子なのは、ちょっと気持ち悪さを感じる。瓶詰妖精武装神姫にも通じるところがある。こういうの、本当に苦手。

3話の如月が轟沈する話のつまらなさ。今どきこんな安っぽい展開でいいのかと思った。5話の再編成の話は、扱いの面倒な先輩達や、それを角を立てず一つのチームにどうまとめるのかという面白さがあって、ようやく話も軌道に乗ったのかなと思ったら、結局ここがピークだったという。吹雪だけじゃなく夕立やみんなも努力していることを知る9話も悪くないんだけどね。ただ、人間ドラマとして楽しむには、戦艦って設定は邪魔にしかならないと思う。

終盤の「さだめの軛」の話は、原作ネタなのかなんなのか知らないが、登場人物が勝手に納得するだけで、最後まで共感できないままだった。本来なら大敗するはずの史実を覆すとか、そういうことなのかな。何にせよ、面白くはない。

新妹魔王の契約者

よくある勇者と魔王モノな上に、魔王の娘が勇者の妹になるという限定的な設定でさえ、はぐれ勇者の鬼畜美学と同じ。まさか原作者が同じだとは知らなかった。

ところどころ、場面のつながりがおかしい気がするのは、削られているシーンがあるせいなのか。エロシーンの隠し方にもまるでセンスがなく、ただでさえつまらない話を、より一層駄目にしている。家族だ兄妹だという作中の拘りも、いまいち共感できないし、刃更は特殊な生い立ちの主人公にも関わらず、キャラクターとしての面白みに欠ける。はぐれ勇者の暁月のキャラの濃さと比べちゃあ駄目か。

そんな中、サキュバスの万理亜は積極的なエロさでいいキャラしてるなと好感を持っていたのに、母親を人質に取られる話以降は凡庸なキャラに成り下がってしまった。登場人物の魅力を削ぐだけの展開で、最終回前に物語のピークを作ろうとしても、まったく盛り上がらない。

ローリング☆ガールズ

忘却の旋律魔法少女大戦に通じるような雰囲気。4人の少女がなんとなく連れ立って、いろんな土地を旅して回って、最後にお別れ。そういう大まかな部分は魅力的だったが、いまいちインパクトのあるエピソードがなくて(忘却の旋律と比べたせいもあるんだろうけど)物足りなさもある。

スタートが所沢と東村山の対立という細かすぎる話で個性を放っていたのに、愛知あたりからはよくありがちな地方ネタでしかなくなったのはもったいない。岡山と広島の話で「情熱の薔薇」なら福山にも言及しろ、とか言ってもしょうがないが。東京近郊は細かい枠組みで描くのに、それ以外は大雑把にしか取り上げないアド街ック天国のような印象だ。

役に立ちたいといつも言ってた望未が、実際にはさほど役に立ってないあたり、所詮モブはモブなんだろうな。実は望未には秘められた力があって、みたいなことをやらなかったのは良かった。最近のアニメだと、そういうのが多いからね。まあ、問題を解決したいと思ってることを表明するだけで、それが人を動かしたりして、望未の行動が何の意味もなかったなんてことはないだろうけど。

モサの面々も、マッチャグリーンや執行さんをはじめ、人間的に弱いところがあるのも良い。

みりたり!

よくある居候モノのギャグアニメ。居候が軍人という設定から、「ケロロ軍曹」の亜種ってことにしておこう。目的が護衛と侵略では、まるで違うが。ショートアニメなので登場人物へ思い入れるってこともなく。まあ、最終回のお別れの話も、泣かせるためにやってる訳じゃないんだろうし。アリア大佐が好みでした。エロくて。

みんな集まれ!ファルコム学園SC

イースの半キャラずらしとか、あとはドラスレIVくらいしか元ネタがわからなかった。というか、ドラスレIVのネタがわかったお陰で、他の知らない作品のネタがどの程度のギャグなのか想像できたとも言える。つまり、たぶん、元ネタ知ってても大して面白くない。

四月は君の嘘

概ね悪くないんだけど、前半だと特に公生の母親の呪縛、後半は椿の公生への思いの描写がとてもしつこく感じられてうんざり。もうその話は大体わかったから、次の展開見せてくれよ、と思ってしまう。公生の回想場面などは、演奏曲の長さに合わせてるせいでテンポが悪くなってしまってるのかもしれない。

最後に「四月は君の嘘」という(意味不明な)題名に収束していく展開は、ちょっと感動的で良いなと思った。こういう伏線回収って好きなんだよね。でも、よくよく考えると、かをりの嘘には、いまいち納得行かなかったりもする。「死ぬまでにしたい10のこと」ほどではないけれど。

見方を変えると、公生がヒロイン達に好意を寄せられてるのに、公生はそれに気付かない、鈍感主人公のラブコメとしても見ることが出来そう。もちろん、ヒロインが2人共、別の男と付き合ってる状況で、自分に向けられた恋愛感情に気付けというのは、鈍感主人公じゃなくても無茶な話だが。

コンクールの頂点を目指すライバル達と切磋琢磨していく、ピアノを題材にした熱い青春物語としての要素もあったが、かをりの病気の話に引っ張られるうちに、うやむやになってしまった印象もある。どっちかというと、ライバルの存在より、母親と恋人(それと黒猫)の死の方が、公生のピアニストとしての成長につながったという話だった。