夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

聖痕のクェイサーII 6話

前回の予告で「最終回じゃないよ」と言ってただけあって、最終回っぽい汪震との戦いの決着編。サーシャがまふゆのソーマを吸って、その力であっさり倒すという展開ではなく、むしろ、翼の雷のマグダラを引き受けた華の方がMVPっぽい活躍だった。というか、トドメは翼と深雪のソーマを連続吸いだったし。

プラネテス

作中の人物の価値観にあまり共感できないので、かなりつらい部分が多い。特にタナベが。3話「帰還軌道」の宇宙葬の棺が地球軌道に戻ってきたのをどう扱うかの話とか、本当にひどかった。一方、とても良かったのは7話の「地球外少女」。というか、15話くらいまでの一話完結型っぽい話だと、7話以外はいまいちなものばかりと言ってしまっていいかもしれない。

後半は木星へ行くフォン・ブラウン号の乗組員選抜と、宇宙開発に反対する宇宙防衛戦線のテロに関する連続性の高い話になっていく。宇宙開発の恩恵を先進国だけで分け合い、貧困国との格差が広がるばかりだという背景があって。

そんな中、ロックスミス博士が面白い。エンジンの事故でたくさん死者が出ようとも、ほとんど気に留めない。テロリストの主張もまったく意に介さない。ロックスミス博士は強烈なエゴイストとして描かれるが、それは否定されるどころか、主人公のハチマキも彼の考え方に同調する。(最後にハチマキと結婚することになるタナベの価値観とは相容れない気もするんだが、どう折り合いつけてるんだろう)

開拓者が人類の活動領域を広げ、文明をより高度なものにしていく一方で、弱者が蹂躙されていくのは、ヨーロッパ人のアメリカ大陸進出など、歴史を何度も繰り返すって感じなんだろうか。功罪あるけど(罪が大きすぎる気もするけど)、人間というのはそういうものだと開き直って進んで行くしかない、という主張があるとしたら、他の作品にはあまり見られない面白さだと思う。普通のアニメは、弱者に寄り添いがちだからね。

魔法少女プリティサミー OVA

OVA版は、後のTV版以上に「天地無用!」の影響下にある感じ。昔のアニメでよく見られた、いつもの登場人物が時代劇やおとぎ話の世界の人物に扮する番外編のような、そういうものと共通したものを感じる。また、TV版ではまったくと言っていいほど出番のない天地が、こちらでは女性陣にモテモテという状況が繰り返し描写される。もちろん、砂沙美が主役なので、天地はあくまで脇役としての出番しかないけれど。

1話は、レーザーカラオケの話。パイオニアLDCを感じる。

2話は秋葉原。この時代の秋葉原はまだ「パソコンの街」だった。1998年の「アキハバラ電脳組」まではそうだったが、1999年の「デ・ジ・キャラット」以降は秋葉原の描かれ方が変わったように思う。本作でピクシィミサが「レッツビギン」と言っているのが、後の「ナースウィッチ小麦ちゃん」における、こよりの「レッツビギンでございます」につながったのだろうか。

3話はTV版の終盤っぽい感じ。TV版22話以降って、割と蛇足感があるんだけどね。こっちは話数が少ないせいか、かなり物足りない。美紗緒の事情もあまり掘り下げられないし、TV版のパイロット版みたいな印象を受けた。

D・N・A2~何処かで失くしたあいつのアイツ~

本放送以来の再視聴。

設定から見ても、もっとしっかりハーレムラブコメやってるのかと思ったら、そうでもなかった。純太を中心としたハーレム要員と目されるのは、未来から来たかりん、幼馴染の亜美、亜美の友人のことみ、恋人への当てつけで純太を誘惑する倫子の4人。頭数は揃っているものの、なぜハーレムラブコメに見えないかというと、ことみと倫子の2人に関しては、それぞれ決着をつけてしまうから。純太との関係が曖昧なままにしておかないと、ハーレム要員たり得ないのだろう。

後半は、ハーレムどころかラブコメとしても物足りない。未放送だった13話から15話に関しては、未来から来て純太を利用しようと企む悪人との戦いになってしまって、恋愛要素はほぼない状態だ。それどころか、この13話以降は、純太のメガプレイボーイも女性アレルギーも発動しないので、最大の特徴を失った凡庸な内容になってしまったようだ。

まんなかのりっくん

タイトルロールの「りっくん」こと「りく」と、妹2人、母親、父親という家族構成で描かれる、ファミリーアニメ。と思わせておいて、5話あたりから、きのこの神とやらが出てくる謎な方向へ。「クレヨンしんちゃん」じゃなくて「となりのトトロ」だった、というわけでもないのだけれど。10話のサブタイトルが「りっくんと神の力」、11話が「りっくんと神のたたかい」だったりして、これだけ見ると大変な話になってそうにも思える。実際はただのコメディだが。

子供達の「りく・くう・うな」という名前が、陸・空・海になっていることに気づいたのは終盤になってからでした。

まほうのルミティア

全10話のショートアニメ。1話目から、高熱にうなされてる時に見る夢のような、ゆるい動きとぼんやりした話が展開する。これが「ゆめかわいい」なのか。とにかくステッキが万能なので、ドラマ的盛り上がりなんてものとは無縁である。

5話くらいから季節のイベントを題材にした話が出てくる。キャラクター名がペテルティアだのノアティアだのといってる割に、振り袖に七夕に龍宮城と玉手箱といった和風な題材が続くギャップにどう接すればいいのか。とにかく難度の高いアニメだ。

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 7.5話、13話

7.5話「饗宴・砦ノ戦争」

酒入りの紅茶をみんなで飲んで酔っ払うという内容で、8話の電話番の話と同様のコミカルな話だ。ただ、各登場人物の反応もありきたりで、特に面白いものでもない。とってつけたような入浴シーンも、興味が持てない。

13話「空の音・夢ノ彼方」

後日談というか、カナタが自分の夢が何なのかを見つけるために、周囲の人達の夢を聞いて回る話。カナタは結局、リオ先輩についていく、だの、みんなといつまでも一緒に、だのと主体性のない夢を語っただけで、事実上の保留みたいな扱いといったところか。ここで、もっと明確な将来のビジョンでも見つけられれば、カナタというキャラクターが魅力的になりえたと思うんだけどね。