夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

プラスティック・メモリーズ

1話のどうしようもなさが、最後まで枷となったシリーズ。「こわれかけのオルゴール」がいかにまともだったか思い知らされる。

アンドロイドとそれを取り巻く環境がどうなってるのか。アンドロイド保護法なんてのがあるから成熟した社会なのかと思わせて、ギフティア回収の仕組みが非効率的でげんなりするし、(非効率性そのものへの批判とかはないままに)その非効率性をきっかけに物語を動かそうとしてるせいで話に乗りきれない。

艦これ」の艦娘たちが世界の中でどういう存在なのかいまいち掴みきれないままその生死に関するドラマを見せられてもピンと来ない…というのと近い。

もちろんキャラクターにも魅力を感じることはなく、そのまま後半は応援できないカップルのラブストーリーという、ただ不快なだけの展開へと舵を切る。ツカサの「告白」シーンを見た時、本当に気持ち悪いと思った。そういえば「ちょびっツ」のパソコンと結婚したケーキ屋の挿話を見た時も同じ感想持ったなあ、と思い出した。人間とアンドロイドとの恋愛に否定的なつもりはないんだけどねえ。

ギフティアが時間切れになると暴走するって設定は、なかなか興味深かった。所有者の前でいつもニコニコ良いアンドロイドとして10年過ごしたギフティアが、その10年間の間に溜め込んだストレスを一気に発散してるんだと思うと、結構痛快だと思う。

映画「幕が上がる」を見た

弱小校に有名な監督やら名門校からの転校生やらが来て、全国大会を目指す系部活物。まあ、響け!ユーフォニアムと大体同じパターンだし、阿知賀編でもハイキューでも、似たような設定を持つアニメはたくさんありそうだし、基本的には外しようがないネタと言えるかもしれない。

吉岡先生=滝昇=赤土晴絵=烏養繋心
中西さん=高坂麗奈=新子憧=影山飛雄
(ちょっと無理があるか?まあ、こんな感じだろう)

で、これが、せっかく題材はいいのに、いろいろと残念な出来。目立つ割に少しも面白くない顧問の男いじりとか、途中の変な演出が空気を乱してる感じ。うるさいくらいに多用される部長の内話(モノローグ)にうんざりしてたら、後半ではなぜか鳴りを潜めるというのも、どういう演出意図なのか謎。響け!ユーフォニアムも主人公のモノローグが多かったけれど、ここまでうるさくは感じなかった。(これはユーフォニアムを誉めてる訳じゃなく、あのモノローグ多用にも否定的です)

あと、他校の演劇に比べ、主人公たちの演劇に魅力がなく、地区大会で高評価を得たことがいまいち納得できないというのも、かなり駄目な部分だと思う。

2005年TVアニメOP・ED10選

 

遊び心いっぱいのオープニングクレジット。だまって俺についてこい。

上質な美少女アクション。まあ、本編の内容とはあんまり関係ないんだけど。

まさかの林田健司。とにかく頭悪そう。

紅優武山篤で、とにかくかっこいい映像。

キャラクター紹介を含む岩崎良明監督のいつものやつ。
瓶詰妖精せんせいのお時間に比べて、一層の洗練が見られる。

後期バージョン(完成版?)はスタイリッシュ。
なぜか辻堂が印象に残る。

ノイタミナ。他の深夜アニメとは違うことやるぞという意気込みを感じるセンス。

オープニングが変わると、どうしても前の方が良かったとか思ってしまいがちなのに、
これは3種類のオープニングのいずれも良いから凄い。

深夜アニメでもここまで媚びまくりのエンディングはあまりない。

エンディングで主人公が走るのはお約束。だけど、このカメラ位置は新鮮でエロい。

 


以上で10個。以下は番外(OVA扱い)。

ひどい歌詞。

話数単位で選ぶ、2005年TVアニメ10選

 

 

"鬼の形相"という言葉がこんなに似合うヒロインは、なかなか居まい。

Windの「想い伝えて……」から1年、またラブコメヒロインの心が病んでしまいました。

ほとんどの会話が電話を通して行われる。
直接会って話さない人々を描く社会風刺性と実験性。

命を吹きこまれたぬいぐるみを通して、生まれて来た意味を優しく問う、切ない一編。

雪の降る日の思い出話。
未来のことなんて思いもよらなかっただろう過去の先輩達の話から、明日への橋渡し。

少女アニメ最大のイベントであるクリスマスに、満を持しての亡き母の話。
泣ける話のはずが、ギリギリまでギャグを忘れない姿勢にしびれる。

総集編で思いっきり馬鹿やってくれるアニメは大好きです。

エアコンの効いた部屋で繰り広げられる筆談ギャグ。

神様はこたつから一歩も外に出ない。

  • tactics #15 暮れゆく夏の蝉時雨

アニメのホラーってあまり怖いと思えないことが多いのだけど、
これはぞっとした。

 

以上で10個。以下は番外(OVA)。

雑然とした学園祭の雰囲気と、恋と疾走とマイムマイム。
若いっていいですね。

夜ノヤッターマン

ヤッターキングダムの統治下で虐げられる民を描く息苦しい内容ながら、1話など特に落ち着いた雰囲気もあって、悪くないと思っていたのだが。これが「ヤッターマン」らしさなのかどうか知らないが、下品な要素が良質な雰囲気をぶち壊していく中盤以降。ことあるごとに立ち小便する登場人物なんて、何が面白いのかわからない。

正義の味方だと思っていたヤッターマンが民を苦しめているという序盤の価値観の反転があり、終盤に黒幕がドクロベエだと判明して更に価値観が反転するという二段構えは面白い。ただ、結局ドクロベエを倒しただけで終わりにした感じがして、ちょっともったいなかったと思う。善悪の価値に翻弄されたドロンジョ(レパード)達がどういう道を進むのか、ガリナ達との別れも含め、あまりしっかり描ききれてない印象を受けた。「勧善懲悪」を超えた何かを描いて欲しかったが故の不満かもしれない。

デス・パレード

極限状態に置かれた人達を裁くって設定なので、どうしても泣いたり怒ったり、激しく感情を剥き出しにする展開が多く、そういうアニメは基本的に好みじゃないのだけど、裁く側のデキム達がいつも冷静なので、意外と楽しめた。

と思っていたら、9話で黒髪の女に死者の記憶を見せちゃって、感情的な行動取らせちゃうものだから、げんなりしてしまう。まあ、無関係な刑事を間違って刺したのかと思わせて、実はその刑事こそ殺すつもりだった相手で、復讐を果たしてたという引っ掛け自体は面白かったんだけど。

10話のババ抜きは、機動戦艦ナデシコの記憶マージャンみたいで、結構好き。両親が死んで強姦されて兄が殺人犯になってと、悲惨な人生を着実に歩んでる島田の妹なんかがいる一方で、幸せな人生だったと満足気な婆さんが直後に出てくるのは、なんとも皮肉なものだ。

黒髪の女の正体は案外普通だったんで、特に評価がひっくり返ることもなく、無難に終わった感じ。

艦隊これくしょん -艦これ-

1話を見た段階では、ストライクウィッチーズ的なものかと思って、つまらなさそうだなと身構えていたが、3話くらいまで見たら、女の子が戦ってる訳じゃなくて、戦艦が女子の人格と見た目を持っている設定で描かれているんだと気付く。戦艦が損傷したら、それは女の子が負傷したように描かれるし、ドックでの修理は入浴として描かれる。まあ、それはそれで好みではない設定だ。戦艦にまったく興味ないしな。

「提督」と呼ばれる存在は、作中で姿を見せない。これは艦娘とは異なる存在、要するに艦娘がただの戦艦であるのに対して、生身の人間だから同時に画面に収まることがないのかなと思ったが、実際どうなんだろう。まあどうでもいいんだけど。ただ、主人公の吹雪をはじめ、艦娘達がこういう得体の知れない存在に絶対的な信頼を寄せてる様子なのは、ちょっと気持ち悪さを感じる。瓶詰妖精武装神姫にも通じるところがある。こういうの、本当に苦手。

3話の如月が轟沈する話のつまらなさ。今どきこんな安っぽい展開でいいのかと思った。5話の再編成の話は、扱いの面倒な先輩達や、それを角を立てず一つのチームにどうまとめるのかという面白さがあって、ようやく話も軌道に乗ったのかなと思ったら、結局ここがピークだったという。吹雪だけじゃなく夕立やみんなも努力していることを知る9話も悪くないんだけどね。ただ、人間ドラマとして楽しむには、戦艦って設定は邪魔にしかならないと思う。

終盤の「さだめの軛」の話は、原作ネタなのかなんなのか知らないが、登場人物が勝手に納得するだけで、最後まで共感できないままだった。本来なら大敗するはずの史実を覆すとか、そういうことなのかな。何にせよ、面白くはない。