夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

映画 2016年3月

「ルートヴィヒ」 復元完全版。ルートヴィヒ2世の生涯をただ描いただけという感じで、物語性は乏しいような。地下湖でゴンドラに乗って登場したルートヴィヒが白鳥に餌やる場面とか、面白い箇所はあるんだけど。それにしても長い。


「少女は自転車にのって」 サウジアラビアでの(女児の)日常を描いているのは、それだけで充分興味深い。ただし、映画としての面白さがあったかというと微妙。自転車欲しさに暗唱大会優勝を目指すのは、「運動靴と赤い金魚」と似た話ではあるが、ああいう感動はなかった。


「if もしも‥‥」 どこまでが現実でどこからが妄想なのか、よくわからないところも含めての映画なのかな。モノクロとカラーで現実と虚構を区別してるっていうんならわかりやすいんだけど、そうじゃないみたいだし。まあ、英国らしい変な映画ですね。


バルタザールどこへ行く」 よくわからない。少女とロバの受難劇?家畜のロバがこき使われたり野垂れ死んだりするからって、それが何だというのか。


家族ゲーム」 会話に妙な面白さがある。終盤の食事シーンの無茶苦茶さも、最後のヘリコプター音の不穏さも良い。卵をチューチュー吸うあたりとか、ちょっとやり過ぎなところもあるけれど。


ペコロスの母に会いに行く」 意外と良かった。息子と母とのベッタリし過ぎない距離感がいいのかな。ぼけるというより思い出の中で生きるようになるってことなんだろうか。


舟を編む」 辞書作りの仕事の話は面白いが、人間ドラマとしてはいまいち。キャラクターが安っぽいというか。なんとなく「SHIROBAKO」とも似た印象。


海炭市叙景」 「ショートカッツ」という傑作群像劇と似ているが、こっちはただの出来損ない。各エピソードのつまらなさもそうだし、各エピソードの繋がりの半端さもそう。登場人物はもちろん多いが、どいつもこいつも面白みに欠けて退屈。この街にはいろんな人がいろんな思いを抱いて生きているんだ、という感慨は得られない。


「どついたるねん」 ボクシング以外何もなさそうな主人公は見ていて面白い(身近に居たら最悪なタイプだが)。周囲の人達が彼に振り回されるのもなかなか楽しい。まあ、楽しいばかりの映画ではないんだけど。プロボクシングへの関心というか思い入れがないと、いまいちのめり込めないところはありそう。


「偽りなき者」 ダンサー・イン・ザ・ダークドッグヴィルか、といった印象だったけど、監督はドグマ95のお仲間だったのか。原題は狩りという意味らしく、主人公が冤罪かどうかなんかは割とどっちでも良くて、狩りをせずにいられない村人達と、その狩りのターゲットにたまたまなってしまった主人公の話って感じなのかもね。


「私は二歳」 赤ん坊がもっと大人社会についてたくさん喋るのかと思っていたけど、そうでもなかった。しかし、この時代の団地はかなり住みづらそうだ。生まれて初めて母親の顔を見る冒頭の場面や、最後の誕生日のろうそくなど、不思議な演出が良い。