夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

ミカグラ学園組曲

はぐれ者のヒロインが、バトルなどを通じて学園内での地位を築いていく物語。「つよきす」をちょっと思い出す。つよきすと違ってかなり明確にガールズラブを強調しているんだが、百合的にはつよきすの方が良かったかもしれない。というか、憧れの先輩が実は駄目駄目な人だと判明し、それを救う物語でもあるから、月面兎兵器ミーナとか灰羽連盟系譜とも言えるか。

しかし、これをサクセスストーリーとして楽しめるかというと、そうではない。そして、強い能力を持つ主要な登場人物と、そうでない普通の生徒達との間の扱いの差は大きく、弱者への配慮がまるで見えない。

途中からエルナが学園のエリート集団とつるみ出すようになるが、戦闘能力が努力の結果ではなく天賦の才に依る感じだし、対抗戦の結果で学園での優遇冷遇が決まるので、こうなってくると実に楽しくない。対等な立場の敵対集団と競い合うのであれば良いのだけど、この作品は弱い生徒を踏み台にしていくだけ。

最後にエルナは星鎖を救うことに成功してめでたしめでたし、ということのようだが。星鎖が家にこもるきっかけとなった、”星鎖に夜討ちをかけて退学となった写真部の先輩”の件は、そもそもが学園の部活対抗戦のシステムに起因する問題なのだけど、そこがまったく解消されないままなので気分が悪い。それどころか、学園を創設したエルナや星鎖の先祖の話まで出てきて、この血統主義のために、強い能力を持たない生徒達が、真相を知ることなく犠牲にされているんだとすると、本当に残酷な話だと思う。