天使な小生意気
序盤はあんまり面白くなかった。美少女だと持て囃される天使恵が、(作画のせいか)美少女に見えないってのも一因としてあったのだろうか。
とはいえ、この手のコメディ作品によくある通り、だんだんギャグもこなれてきて、中盤以降は楽しめる話も多くなってきた。ただし、岳山絡みの話はいまいち乗り切れなかったけれど。家柄を重んじる話がそもそも好きじゃないし。
源造やらを巻き込んでドタバタラブコメやっていたけれど、結局は恵と美木の百合カップルの話だった……という訳ではないのね。最後の源造へのキスには違和感があるなあ。美木には小林が充てがわれるような展開だったから、恵の扱いがこうなるのも自然な流れなのかもしれないが。
DIABOLIK LOVERS MORE,BLOOD
1期の男性陣に加え、2期では新キャラの男が4人ばかり追加されて、で、結局やってることはヒロインへの「暴行」という悪趣味な内容は相変わらず。違いといえば、新メンバーにはつらい過去があるということくらい。これに同情しろってことなのかもしれないが、自分が悲惨な目に遭わされてきたからって、他人をつらい目に遭わせていい理由にはならんだろうし、余計に不快になるだけだったような。
対立していた1期の面子(逆巻)と2期からの面子(無神)だったが、最後に強敵が現れて共闘することになる。しかし、決戦を前にして中途半端なところで終わり。どうなったのかはわからずじまい。「明日に向って撃て」的な余韻にでもしたかったんだろうか。
奇魂侍
まあ、「見え方はあなたの心次第」って最後の言葉が全てなんだろう。
第六感で他人と違うものが見える主人公が、悪者に襲われたり、裏切られたりって話なんだけど。時間が短いためか、主人公の追い詰められ方が物足りなくて、いまいち心に響かない。
映画 2016年3月
「ルートヴィヒ」 復元完全版。ルートヴィヒ2世の生涯をただ描いただけという感じで、物語性は乏しいような。地下湖でゴンドラに乗って登場したルートヴィヒが白鳥に餌やる場面とか、面白い箇所はあるんだけど。それにしても長い。
「少女は自転車にのって」 サウジアラビアでの(女児の)日常を描いているのは、それだけで充分興味深い。ただし、映画としての面白さがあったかというと微妙。自転車欲しさに暗唱大会優勝を目指すのは、「運動靴と赤い金魚」と似た話ではあるが、ああいう感動はなかった。
「if もしも‥‥」 どこまでが現実でどこからが妄想なのか、よくわからないところも含めての映画なのかな。モノクロとカラーで現実と虚構を区別してるっていうんならわかりやすいんだけど、そうじゃないみたいだし。まあ、英国らしい変な映画ですね。
「バルタザールどこへ行く」 よくわからない。少女とロバの受難劇?家畜のロバがこき使われたり野垂れ死んだりするからって、それが何だというのか。
「家族ゲーム」 会話に妙な面白さがある。終盤の食事シーンの無茶苦茶さも、最後のヘリコプター音の不穏さも良い。卵をチューチュー吸うあたりとか、ちょっとやり過ぎなところもあるけれど。
「ペコロスの母に会いに行く」 意外と良かった。息子と母とのベッタリし過ぎない距離感がいいのかな。ぼけるというより思い出の中で生きるようになるってことなんだろうか。
「舟を編む」 辞書作りの仕事の話は面白いが、人間ドラマとしてはいまいち。キャラクターが安っぽいというか。なんとなく「SHIROBAKO」とも似た印象。
「海炭市叙景」 「ショートカッツ」という傑作群像劇と似ているが、こっちはただの出来損ない。各エピソードのつまらなさもそうだし、各エピソードの繋がりの半端さもそう。登場人物はもちろん多いが、どいつもこいつも面白みに欠けて退屈。この街にはいろんな人がいろんな思いを抱いて生きているんだ、という感慨は得られない。
「どついたるねん」 ボクシング以外何もなさそうな主人公は見ていて面白い(身近に居たら最悪なタイプだが)。周囲の人達が彼に振り回されるのもなかなか楽しい。まあ、楽しいばかりの映画ではないんだけど。プロボクシングへの関心というか思い入れがないと、いまいちのめり込めないところはありそう。
「偽りなき者」 ダンサー・イン・ザ・ダークかドッグヴィルか、といった印象だったけど、監督はドグマ95のお仲間だったのか。原題は狩りという意味らしく、主人公が冤罪かどうかなんかは割とどっちでも良くて、狩りをせずにいられない村人達と、その狩りのターゲットにたまたまなってしまった主人公の話って感じなのかもね。
「私は二歳」 赤ん坊がもっと大人社会についてたくさん喋るのかと思っていたけど、そうでもなかった。しかし、この時代の団地はかなり住みづらそうだ。生まれて初めて母親の顔を見る冒頭の場面や、最後の誕生日のろうそくなど、不思議な演出が良い。
映画 2016年2月
「叫びとささやき」 病気の主人公が死ぬ映画なので、愉快な話ではない。死ぬ間際の苦悶の様子は迫力があった。ベルイマンの映画はよくわからん。
「おとうと」 いつの時代の話か最初わからなかったが、大正時代か。どうにも厄介事をやらかしてばかりの弟が、なかなかめんどくさい。ショックで倒れて寝ていた姉が、突然起き出していつものようにテキパキ仕事し始めるラストシーンはインパクトがある。
「スウィングガールズ」 高校生がビッグバンドジャズを始めるに至る経緯が雑すぎて、共感も応援もできない。イノシシに襲われる場面の静止画風の演出は面白かった。
「デルス・ウザーラ」 カピタン、カピタンという呼び声が印象に残る。迫り来る夜に備えて草を急いで刈り集める場面の怖さ。友情を深めていく前半は面白いけど、デルスが虎を撃って以降は、話も気分も下り坂で楽しくない。
「アフタースクール」 よく出来てて面白いと同時に、失われた青春のほろ苦さもある。最後まで見た後、アバンタイトルを見返すと、見事に騙されていたのがわかる。いろいろ不自然なところが確かにあるんだけど、最初見ただけじゃ気付かないよなあ。
「ハート・ロッカー」 異国の地、どこに敵がいるかわからない状態での爆弾処理の緊迫感はなかなか。でも、後半は飽きる。
「ノーカントリー」 追ってくる殺し屋は、世間の常識も通じなさそうな容赦のなさだし、映画の常識も通じない感じ。重要な役割を持って登場したように見えた別の殺し屋も、あっさり殺されちゃうし、金を持って逃げる主人公っぽかった男の最期もあっけない。そういうお約束の通じなさがこの映画のポイントだったりするのかな。それが面白いかというと微妙だが。
「そこのみにて光輝く」 邦画でよく見る駄目なところが詰めこまれたような映画。海に入ったままのキスだとか、(サービスシーンのつもりなのか)微妙に長いセックスシーンだとか、おしゃれな演出を気取ってるんだろうか。過去に縛られたり、家族に縛られたりといった、面白みのない登場人物達。共感できないし、興味も持てない。