夜のアクマ

アニメの感想を書いたり書かなかったりするところ

新妹魔王の契約者

よくある勇者と魔王モノな上に、魔王の娘が勇者の妹になるという限定的な設定でさえ、はぐれ勇者の鬼畜美学と同じ。まさか原作者が同じだとは知らなかった。

ところどころ、場面のつながりがおかしい気がするのは、削られているシーンがあるせいなのか。エロシーンの隠し方にもまるでセンスがなく、ただでさえつまらない話を、より一層駄目にしている。家族だ兄妹だという作中の拘りも、いまいち共感できないし、刃更は特殊な生い立ちの主人公にも関わらず、キャラクターとしての面白みに欠ける。はぐれ勇者の暁月のキャラの濃さと比べちゃあ駄目か。

そんな中、サキュバスの万理亜は積極的なエロさでいいキャラしてるなと好感を持っていたのに、母親を人質に取られる話以降は凡庸なキャラに成り下がってしまった。登場人物の魅力を削ぐだけの展開で、最終回前に物語のピークを作ろうとしても、まったく盛り上がらない。

ローリング☆ガールズ

忘却の旋律魔法少女大戦に通じるような雰囲気。4人の少女がなんとなく連れ立って、いろんな土地を旅して回って、最後にお別れ。そういう大まかな部分は魅力的だったが、いまいちインパクトのあるエピソードがなくて(忘却の旋律と比べたせいもあるんだろうけど)物足りなさもある。

スタートが所沢と東村山の対立という細かすぎる話で個性を放っていたのに、愛知あたりからはよくありがちな地方ネタでしかなくなったのはもったいない。岡山と広島の話で「情熱の薔薇」なら福山にも言及しろ、とか言ってもしょうがないが。東京近郊は細かい枠組みで描くのに、それ以外は大雑把にしか取り上げないアド街ック天国のような印象だ。

役に立ちたいといつも言ってた望未が、実際にはさほど役に立ってないあたり、所詮モブはモブなんだろうな。実は望未には秘められた力があって、みたいなことをやらなかったのは良かった。最近のアニメだと、そういうのが多いからね。まあ、問題を解決したいと思ってることを表明するだけで、それが人を動かしたりして、望未の行動が何の意味もなかったなんてことはないだろうけど。

モサの面々も、マッチャグリーンや執行さんをはじめ、人間的に弱いところがあるのも良い。

みりたり!

よくある居候モノのギャグアニメ。居候が軍人という設定から、「ケロロ軍曹」の亜種ってことにしておこう。目的が護衛と侵略では、まるで違うが。ショートアニメなので登場人物へ思い入れるってこともなく。まあ、最終回のお別れの話も、泣かせるためにやってる訳じゃないんだろうし。アリア大佐が好みでした。エロくて。

みんな集まれ!ファルコム学園SC

イースの半キャラずらしとか、あとはドラスレIVくらいしか元ネタがわからなかった。というか、ドラスレIVのネタがわかったお陰で、他の知らない作品のネタがどの程度のギャグなのか想像できたとも言える。つまり、たぶん、元ネタ知ってても大して面白くない。

四月は君の嘘

概ね悪くないんだけど、前半だと特に公生の母親の呪縛、後半は椿の公生への思いの描写がとてもしつこく感じられてうんざり。もうその話は大体わかったから、次の展開見せてくれよ、と思ってしまう。公生の回想場面などは、演奏曲の長さに合わせてるせいでテンポが悪くなってしまってるのかもしれない。

最後に「四月は君の嘘」という(意味不明な)題名に収束していく展開は、ちょっと感動的で良いなと思った。こういう伏線回収って好きなんだよね。でも、よくよく考えると、かをりの嘘には、いまいち納得行かなかったりもする。「死ぬまでにしたい10のこと」ほどではないけれど。

見方を変えると、公生がヒロイン達に好意を寄せられてるのに、公生はそれに気付かない、鈍感主人公のラブコメとしても見ることが出来そう。もちろん、ヒロインが2人共、別の男と付き合ってる状況で、自分に向けられた恋愛感情に気付けというのは、鈍感主人公じゃなくても無茶な話だが。

コンクールの頂点を目指すライバル達と切磋琢磨していく、ピアノを題材にした熱い青春物語としての要素もあったが、かをりの病気の話に引っ張られるうちに、うやむやになってしまった印象もある。どっちかというと、ライバルの存在より、母親と恋人(それと黒猫)の死の方が、公生のピアニストとしての成長につながったという話だった。

寄生獣 セイの格率

平凡な男子高校生が異能に目覚めて戦いに巻き込まれていくという、よくある設定をうまく味付けした感じ。まあまあ面白かった。

新一が次第に人間としての感情を失っていく展開があったけど、終盤では、なおざりになったような印象も受けた。人間が地球環境に害をなしているとか、人間と他の生物の共存とか、そういうメッセージが途中から出てきて、そういえば一昔前にやたら流行っていたけど、最近ではほとんど見かけなくなったテーマだなと思った。

屋上から落ちる村野の手を新一がつかもうとする最後の場面は、なんとなく映画「バーディ」を思い出した。

アルドノアゼロ 総評

衝撃的な展開がやりたいだけのような1期の終わり方からして問題があったんだが、それにしても2期の1話は強引だなと感じた。その割に、まあまあ楽しめる展開になったんじゃないかと。

1期では面倒くさい存在だった鞠戸大尉が2期でおとなしくなったのは良かった。しかし、火星出身なのに火星に敵対するという特殊な立ち位置のライエが、目立った言動のないままだったのは残念かも。マズゥールカ卿関連で少し目立っただけか。まあ、そのマズゥールカ卿の活躍もなんだか地味だったという。

スレインは、その才能もさることながら、地球出身という立場から反階級社会の旗手としても持ち上げられてるのに、当の本人が姫様大好きというあたりが脆かった。その弱点を見抜いていたのか、アセイラム姫がスレインに愛想を尽かしたところを見せて、あっけなく終戦。突然出てきたクランカインとあっさり結婚してみせるアセイラム姫は、王族気質がすっかり身についているのか、乙女心なんてものを見せなくて面白い。

他には、マグバレッジ艦長と不見咲君の関係が良かった。「喰霊-零-」の室長と桐ちゃんを連想したが、別に似てる訳ではなかった。